人間嫌いの小説家の嘘と本当
夜の散歩で会った夜。
侑李の前では言えなかった言葉を吐き出す。
折角吹っ切ったつもりだったのに、なんでこの男は思い出させるんだろう。
だいたい彼女とはどうなってんのよ。
「だから、それは彼女の狂言だったって言ったじゃないか――ぅ、あぁ!!」
顔を後ろに向け反論しようとする真幸。
私はそれを許すことなく腕を少し持ち上げ、彼の肩を後ろから押し体を前に倒した。
崩れるように膝を突き、地面すれすれに顔が近づく真幸。
彼の呻き声と共に手にしていた銃が、カチャンと渇いた音を立てて足元に落ちた。
「それでも!!……あなたが私を裏切って、他の女と出来ていたって事は事実でしょ?」
二股していたという事実を、私は許すことなんて出来ないのよ!
足元に落ちた銃に、苛立ちをぶつけるように蹴飛ばす。
埃が舞う中、ニ~三メートル先に転がる拳銃。
思ったより遠くに行かなかったけれど、真幸が取れない距離であれば問題ない。
「涼花だって、俺を待っていたんじゃないのか?式場のキャンセル、してなかったじゃないか」
ふと彼の腕から力が抜けた瞬間、思ってもみなかったことを口走った。