人間嫌いの小説家の嘘と本当
「っ、夢?……いつのまにか寝てたんだ」
あの男の子、誰だっけ――。
キャンプ場……分からない。思い出せない。
いつの事なのか、どこで出会った子なのか。
でも確かに私は、あの男の子に会ったことがある。
どうしてかは自分でも分からないけど、そんな気がした。
久し振りに両親の事を思い出したから、あんな夢を見たのかもしれない。
写真は夏に撮られたもので、私の誕生日に出掛けた時に撮ったものだろうと言われていたから――。
「お目覚めですか?」
侑李の寝室に繋がるドアが開き、櫻井さんが顔を出す。
ソファに横になって寝ていた私の体には、櫻井さんが用意してくれたのか、ブランケットが掛けられていた。
「櫻井さん、ごめんなさい。私いつの間にか寝てしまってたみたい」
「もう少し寝て下さって大丈夫ですよ。ここ二日、殆ど寝ていないのでしょう?」
その言葉に驚く。
何も言っていないのに、どうして気が付いたんだろう。