人間嫌いの小説家の嘘と本当
夜中でも度々侑李の寝室に様子を見に行っていた。
今は大分落ち着いているけれど、最初の頃は白い肌が赤く火照って、息遣いも荒く、時々魘される時もあり心配で彼をひとりには出来なかった。
「でも……」
「あなたも怪我が完治したわけではないんですよ?まだ傷も痛むでしょうに」
櫻井さんの言葉に、改めて自分の姿を見下ろす。
両手には包帯。胴体にはコルセット、足首は捻挫だけのはずなんだけど、動き回るからとギプスで固定されている。
そのほか細かな傷が体中にあり、見た目は侑李より重症だ。
「無理はなさいますな。何より侑李様はあなたの笑顔がお好きなのですから」
「ありがとうございます。でも侑李が怪我をしたのは私のせいだから、出来る限りの事はしていたいんです」
心配してくれてる櫻井さんの気持ちは有り難い。
けれどジッとしているなんて、私の性分には合わないし、体を動かしている方が回復も早い気がするんだけどな。
「あなたと言う人は……何かあったら必ず呼んでくださいね」
大げさにため息をついて見せるけど、櫻井さんの顔はとても優しく、まるでお父さんのようだった。