人間嫌いの小説家の嘘と本当
侑李のことだから他意は無いんだろうけど、口移しなんてしたことないし、恥ずかしくて仕方ない。
「早く――」
待ちきれないといった感じで、口を開き待っている侑李。
覚悟を決めて水を含み唇を寄せていく。
重なった唇を少し開き水を流し込むと、コクッと小さな音を立てて、侑李が水を飲んだのが分かる。
唇を離し間近で目が合うと、ふっと笑みを浮かべ「もっと」と催促した。
かわいい。母鳥に餌を要求する雛みたい。
私は再び水を含み口移しを繰り返す。
何度目かの口移しの時、不意に後頭部を抑えられ驚いていると、彼の熱い舌が侵入してきた。
「んっ、ゆ……」
目を見開き抵抗するも、後頭部に回された手が離されることなく口付けが深くなっていく。