人間嫌いの小説家の嘘と本当
やっぱり侑李って、キス慣れしてる。
過去の女性遍歴を詮索するつもりは無いけど、どうしたって気になってしまう。
侑李は今まで何人の女性と、こうやってキスをしてきたのかな。
暫く大人しくキスを受けていると、グイッと腕を掴まれベッドの中に引き込まれた。
「目が覚めた時、そばに誰かが居るって良いもんだな」
安堵の溜息と共に胸の中で聞こえた言葉が胸に突き刺さり、過去の女性の事なんて、どうでもよくなった。
今、彼を抱き締めたい――。
「っ、お……お前、傷……」
自分が引き込んだくせに、突然抱きついた私に驚いたのか、身を硬くして戸惑っている。
全部言わなくても、侑李の言いたい事は分かる。
私の傷のことを心配してくれているんだろうけど、そんな彼に構うことなく、私はギュと抱きしめた。