愛を教えてくれたのは若頭
私を会わせたことで
母はすっかり私が了承したのだと思い込み、再婚の話を進めていった
私は何も気づかずに…
あの人と二度三度と
3人で食事を囲んだ
もちろんレストランでだ
初めは私とあの人を二人っきりにはせず
食事をしていたが
気を許したのか、トイレに立ち
私はあの人と二人っきりの空間になった
その途端、あからさまに舐めるように見られ、ふと気な笑みを浮かべた
気持ち悪い…鳥肌がたった
気のせいかと思ったが
やはり二人っきりになると同じだ
危険、その言葉が頭に浮かぶ
『私は嫌よ、お母さんと二人でいたいの』
「何を言っているの、今更。ダメよ、もう湯川さんのご家族にも挨拶は済ませてあるのよ、我儘を言うんじゃない」
どんなに嫌だと言っても所詮中学生
受験前だというのに勝手に転校をさせられ、住み慣れたアパートから住宅街に立ち並ぶ中の一軒家へ引っ越した