愛を教えてくれたのは若頭


それにしても遅いっ、
晃さんはまだしも
カフェでテイクアウトなら
すぐ戻ってこれるだろうに…
しかたがないと、カフェへ行ってみようと歩き出した



「君、いくら?」


私の真ん前に立ち止まった男
スーツを着て鞄を持っている
ってか、人の真ん前に立つなんて失礼な奴、と思いながらも


『すみません、急ぐので』


そう言って交わそうとすれば
その男は私の行こうとする道を封鎖するように前に立つ

なんなのっ!?と思いながらも
男を見ると、スーツの襟に光るバッチ
あれ?このバッチ…見た事がある


なんだっけ…
思い出そうにも、思い出せない


「ねぇ、いくら?ってかいくらでもいいや。さあ、行こう」


男はいきなり私の手首を握った
その瞬間からザワザワと鳥肌がたった

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