愛を教えてくれたのは若頭
嫌な予感しかない
気がつけば知らない道
知らない建物ばかり
表通りしか歩かない私には
馴染みがなく
奥に何があるかすら知らない
古びたビルの奥には
今にも潰れそうなモーテル
まさか、と思った
予想は的中で、男は中へ入る
もしかしたら人に出くわすかもしれない
なら助けを求めようと決めた
受付みたいなカウンター
相手の顔が見えないように
下の方だけ空いている
男は1万円を出すと鍵が差し出された
人がいる、ここしかないと思い
『助けてくださいっ!』
けど、私の言葉は届かなかった
男は新たに2枚の諭吉を出し歩き始めた
受付からは2枚の諭吉をが無くなり
人の気配も消えた
なんで?と思ったが
昔の記憶が蘇る
ウリ仲間が言っていた話
金を出せば全て見なかったことにしてくれる古いホテルがあるって…
まさにソレだ