クリスマスプレゼントは王子さま




風花のアイデアをみんなに話してみたら、全員1も2もなく賛成してくれた。


実はこのロイヤルスイートルームには立派なキッチンまでついてる。だけどさて、材料をどう調達しようかという話になった時。房江おばあちゃんが冷蔵庫に入っていた袋を見せてくれた。


「久しぶりに煮物がたべたいと思ってね。案外安かったしいろいろと買っちゃったよ」


“翼くんが荷物を持ってくれたから助かったよ、ずいぶん頼もしくなったねえ”と房江おばあちゃんが褒めるから。翼は顔を真っ赤にして咳き込んだ。


「おばあちゃんも手伝うから。ご飯を作ろうか」

「今日は出歩いて疲れたんじゃない? 大丈夫?」

「なんの、なんの。久しぶりに活気がある場所に行けて元気が出たよ。平気だって」


カラカラ笑う房江おばあちゃんの朗らかな笑い声は本当に久しぶりで。こちらまで嬉しくなってきた。


「やっぱり白米は炊かなきゃね。後はお味噌汁と……ああ、風花ちゃんが卵焼き当番だったね」

「うん、わたし……頑張る」


風花はパックから卵を取り出して、こわごわながら慎重に卵を割り始めた。


「ほうれん草があるからお浸しと……あ、キュウリとワカメがある。タコまで。おばあちゃん、酢の物作っていい?」


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