君に会えたら伝えたい事がある。
「そんな風に考えてるなんて意外」
「それどういう意味?私のことただのアル中の男垂らしとでも思ってた?」彼女は笑いながら冗談を言うように言った。
「そういう意味じゃないよ。ただそんな考えを持っている人に出会ったことがなかったし、この学校に来てから誰かからそんな深い話を聞くことなんて無かったから。みんなここではパーティーの話とかゴシップの話くらいしかしないでしょ」
「確かに、私も初めてこんなこと話したかも」
「それに第一、君のこと男垂らしなんて言ったことも思ったこともないよ」僕は真剣に答えた。
「本当?結構みんな思ってるからアレックスもそう思ってるんだと思った」
「確かにハナが女の子と一緒にいるところは殆ど見たことが無いけれど、だからって男に媚びってる風には見えないし」
「ありがとう。そう言われると嬉しい」彼女は満面の笑みでそういった。
「そろそろ帰る?」僕はそう言ってベンチから立ち上がると彼女が立ち上がれるように手を差し伸べた。彼女は僕の手を取り立ち上がり「そういえばこの学校にタイ人は何人いるの?」と新しい質問をした。
僕らはそんな無意味な会話をしながら来た道を帰った。
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