君に会えたら伝えたい事がある。
僕が部屋に戻るとクラウディオが部屋でオンラインゲームをしていた。
「ただいま」
「おかえり、どこに行ってた?」
「ハナと散歩、今日のディナー美味しかったよ」
「ありがとう。ハナと散歩ね。どうだった?」とクラウディオが興味深そうにニヤニヤしながら聞いてきた。
「別に、特に変わったことはないよ。兄弟の話とかいろいろ質問されて答えただけ」僕はそう言いながらシャワーを浴びるために着ていたシャツを脱いでクローゼットからバスタオルを取り出した。
「先にシャワー浴びるけどいい?」一応クラウディオに確認すると彼は今はバトルから手が離せないから勝手に使ってとだけ言い睨むようにパソコンの画面を見ていた。
シャワーを浴びながら僕は今日の散歩のことを最初から順序通りに思い出して行った。歩いている間はハナの事をよく喋る子だなと思っていたけれども、彼女は質問をするだけで自分の事については殆ど話していなかった。僕が彼女の事で新しく知ったのは、彼女が神を信じていない事と二都物語を読んでいる事だけだった。今がもし30年代だったなら物凄く重要な事なのかもしれないけれども、この2014年に自分の気になる女の子が何の本を読もうが有神論者だろうが無神論者だろうが全くと言っていいほどどうでもいい話だった。ただ彼女は僕が思っていた以上に自分の考えというものが彼女の中にあっていつもニコニコ愛想よく笑っている彼女とは違う一面を見た気がした。また僕の中では彼女が本を読む事も意外だったし僕は彼女の外見と中身の小さなギャップを見たところで再び、なぜ彼女があんなにもアルベルトとレオと仲がいいのか分からなかった。百歩譲ってアルベルトと仲がいいのは分かったとしてもレオに至っては本当に不思議でたまらなかった。
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