君に会えたら伝えたい事がある。
「分からないって昔、彼氏いたんでしょ?」
「いたけど、あんまり、どの彼氏のことも覚えてないいんだよね、きっと好きじゃなかったんだと思う」
「好きじゃなくても付き合えるの?」僕は不思議に思った。
「付き合えるよ、付き合って好きなところを探せばいいじゃない」彼女はあまりにもアッサリ答えたので僕は正直驚いた。
「じゃぁ誰とでも付き合えるってこと?」
「そういう意味じゃないわよ。私だってちゃんと選んだりするから」
「どんな風に?」
「見た目とか?」彼女は思い出したような顔をして、そしてニコッと微笑みながら言った。
「外見がよくても理解してくれない相手だったら辛くない?」
「別に、友達がいるから私のこと理解してくれてなくても構わないし、それに中身なんて簡単に偽れるでしょ?ほらとても優しい男だったのにいざ付き合ったらDVでした、とか聞いたことあるし」
「DVだったの?」僕はおそるおそる彼女に聞いた。
「そんな事ない」彼女は大きく口を開けて笑いながら言った。そして、
「それに私、痩せてる男の子が好きなの。いかにもか弱そうな子。アルベルトみたいに細マッチョとかも少し無理かなぁ」と付け足した。
「レオみたいなやつ?」僕は『痩せている』であのコロンビア人の顔が真っ先に浮かんだ。
「そうね、レオみたいな体型はけっこう好きだよ。まぁもう少し標準体型よりでいいけど」彼女は納得するかのように言った。
「じゃぁ何でレオとは付き合わないの?仲もいいし」少しだけ意地悪な質問をした。ただハナとレオの関係を確かめたかっただけだ。ハナは一瞬、困った顔をしたけれどもすぐ微笑みながか答えた。
「レオと私は無理だよ。あまりにも似すぎてる。私きっと自分みたいなのと付き合ったら破滅すると思う」ハナの顔は笑っていた。僕はレオが自分とハナを似た者同士と言った事を思い出した。「似てないよ。ハナはレオほどヘラヘラしてないし、もっと自立してるよ。レオなんて一人じゃ夜道歩けないんだからね。それに常に女の子いないと生きていけないやつだし」ハナは話を聞きながら笑っていた。その後彼女はレオが今までどんな女の子をナンパしてきたか話した。ナンパの手口もその後どうなったかも僕に話した。僕たちはその話で笑い続けた。

食事が終わる頃には、僕はすっかりレオとの関係を聞き出そうとしていた事を忘れていた。ハナはダイエット中だということでデザートは頼まず、僕らは少しだけ散歩がてらに寄り道をしながら夜道を帰った。
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