ばくだん凛ちゃん
4.凛ちゃん 予防接種

▲ 透 ▲

「ハル、凛の予防接種、どの病院にするか決めた?」

お宮参りが終わるとすぐに初めての予防接種の時期を迎えた。

僕の病院でも良かったのだが、地域でかかりつけ医を見つけた方が良い。
いざ、熱を出したりする時も僕が診察するよりそちらの方が早いからだ。



「えっ、紺野じゃダメなの?」

まさかの回答。

「…激混みの紺野で受けさせるの?」

思わず突っ込んだ。
もっとしっかり考えていると思ったのだが。

「それに紺野は週一しかないから万が一熱を出して延期した時は大変だよ」

「ああ、そうなんだ」

…って、全く調べてないな。
まさか僕に丸投げする気?

「適当に小児科のある病院に電話して聞いてみる」

そう言ってハルはニコニコしていた。

いやいや、先にある程度ネットで調べたりとかしないのかい?

「まずはネットで調べたら?」

そうアドバイスすると

「あ、そっかー!」

手をポン、と叩いた。

いやいや頼むから先に気がついて、お願いします。

「隣の市だけど、桃子さんのお父さんが経営している生駒医院も小児科はあるし。
ただここから行くと車がバスか電車だな」

春からは兄さんがそこの院長になるしね。
僕も小児科の夕診だけ入るし。

「…ちょっと遠い」

ハルは良しとしないらしい。

うん、確かに少し遠い。

「まあこの近所で探してみる」

「ロタをするなら2ヶ月入ったらすぐにしないといけないよ?」

もう後数日の話だよ。

「うん、明日にでも電話してみる」



…本当に大丈夫だろうか。
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