ばくだん凛ちゃん
5月のGWもほぼ凛と二人で過ごし、4ヶ月検診を迎えた。

透が朝、

「受付、出来るだけギリギリ最後においで」

と言っていたのでそうしたら、かなりの人でごった返していた。

…早く来た方が早く終わったんじゃないかな。

受付順にグループに分けられて、グループ別に何回か分けての検診。
もちろん、私は最後のグループ。

更に待合室に行ってビックリ!
ほぼ、両親共に揃って来ていて、母親と子供だけで来ているのは少なかった。

皆、子供の成長が気になるもんね。

…お父さんが平日でも休みが取れるなんて羨ましいな。
透には絶対にない。



次に大きな部屋に集められた赤ちゃんと親達。
それぞれ比べるにはもってこいの場所だった。
保健師さんと公立保育園の保育士さんがこの時期の過ごし方や簡単な遊びを教えてくれる講習会が行われた。

遊びの時間では周りのはしゃぐ声を聞いてますます落ち込みそうになる。
この場所は凄く孤独を感じると思った。

周りを見るともう寝返りをしている子がいて、そこの両親は嬉しそう。

バスタオルの上で仰向けにされている凛は、口にグーの手を少し入れてボーッとしていた。
腹這いにしてもすぐに唸るし。

ああ、早く終わらないかな、検診。
透がいても、結局会えないと思うし。
まだ何もしていないのに凄く疲れてきたな。

この後に身体測定、医師の診察、保健師との面談がある。



「うぎゃー!」

凛のおむつを替えていざ身体測定の時。
眠気もあるのか、凛は大泣きして嫌がった。
その声は誰よりも大きくて、周りはクスクス笑ってしまうくらい、酷い。

「でもこれくらい元気だと安心ね」

と言って測って下さった保健師さんに慰められた。

少しだけ、緊張してきた心が解れる。

けれど、凛は泣き止まず。

ロンパースだけを着せて、医師の検診。

部屋は3つに分けられていた。

私は部屋の前にある椅子に腰を掛ける。



真ん中の部屋から透の、あの優しい声が聞こえた。
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