結婚ラプソディ
ハルは怪訝な目をしている。

『何言ってるの?透、おかしくなった?』

というような顔をしている。



「透…」

少し低い声を出すハル。

「私も努力はしているけど、こればかりはどうにもならないの。
…そういうあなたの優しさが時々私の心をグッサグサに傷つけるの!!
今更止めてどうするのよ!!おバカー!!!!!」

…初めて、人からバカ扱いをされた気がする。
しかもそれがハル。

「ごめん」

謝るけど、ハルは怒ったまま、ロフトに上がってしまった。



どうしよう。
今までまともなケンカって高校時代を含めて1回もしたことがなかった。
どうしたらハルのご機嫌は元に戻るんだろう。

えー!!
まさかの10連休の始まり。

このまま式まで仲直りできなかったら、本当にどうするの。



「ハル、ごめん」

…何の返事もない。

心配になってロフトに上がるとタオルケットに包まったハル。

「ハル」

そっとタオルケットに手を掛けると

「触らないで!!」

ああ、僕の心がグッサグサだよー…。

「うん、ごめん」

僕はロフトから降りて仕方なくソファーに座り、ローテーブルに置いてあった専門書を開いて目を通した。



もう今日は何も話するまい。
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