南くんの彼女 ( 七 転 八 起 ⁉︎ )



「…雪は、幼なじみで。…男なんだ。


俺、好きなやつにどんだけアピールしてもサラッと流されてさ。挙句、好きなやつは雪を女だと思ってて、俺に雪と付き合え!…とか言い出して。」



「そ、それって……」


「その事を雪に相談したら『どうせ俺とその子が会うことなんてないし、そのまま女ってことにして"雪ちゃん"と付き合ったって言っちゃえば?案外 ヤキモチ妬いてくれるかもよ?』って、言われて…。ダメ元で雪と付き合ったったことにしてた。」



「……じゃあ、淳太は彼女…」



「いねぇよ…俺、ホモじゃないし。」



淳太はフッと笑って、それから



真面目な顔して言った。




「俺はずっと、乙葉のこと好きだった。つーか、乙葉が好きだ。乙葉が俺のこと眼中にないのは分かってるし…俺なんか釣り合わねぇのも分かってる!だから…本当は告るつもりなんてなかったんだけど……」



「っ、!」




嘘……!
じゃあ、淳太も私が好きってこと?
雪ちゃんは男で、ただの幼なじみ?


…私たち、両思いってこと??



「だから、その…出来ればこれからも、良い友達っつーか、バイト仲間として一緒に「やだ!!」



「えっ?!」



「……やだよ…。もうバイト仲間じゃやだよぉ…」



「っ、」



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