ユキヤナギの丘で、もう一度君を好きになる
その傘を受け取り、そっとハンカチに触れる。

間違いない、私のハンカチだ。水色の花柄は多少色が変わってしまっているけれど。

ハルーー

なんで?

どうしてこれがここに?

自然と涙が頬を伝う。

「うた、さん?」

「これ、です。赤い傘とハンカチ」

聞きなれない自分の涙声に戸惑う。

素直に泣けるようにはなったけれど、泣き虫になったわけではない。

それに、すっかり大人になってしまった。

「本当なの?」

驚くお姉さんに、私は強くうなづく。

間違うわけがない。物とは違い、色褪せない思い出。

「これが、どうしてここに?」

お姉さんは泣いている私にティッシュを差し出しながら、その時のことをゆっくりと話してくれた。
< 205 / 211 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop