ユキヤナギの丘で、もう一度君を好きになる
笑顔になった2人。

話は尽きないけれど。

「そろそろ、行かないと」

彼とのホテルでの待ち合わせ時間が迫っていた。

「もしかして、彼?」

目ざといお姉さんが、私の薬指を指す。

「ああ、はい。明後日美瑛で式を挙げるんです」

「そう!それはおめでとう! 春太もきっと喜んでいるわ」

「ありがとうございます」

そう。

少しずつだけど確実に前を向いている私の姿に、きっとハルもどこかで喜んでくれているはずだ。

お姉さんは思い出の傘を私に持たせてくれようとしたが、それはきっとハルがお姉さんに会いに来た証として残していったものだから。

ここに置いてもらうのが一番いい、そう思った。

「私は、これがあれば充分です」

カバンに入れたハルからの手紙、そしてハートのヘアゴム。

私の言葉にお姉さんは軽くうなづいてから、傘を元にあった場所へと戻した。
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