空の下で
「心電図だいぶ荒れてるなぁ…」


「心エコー中にも不整脈でてたんですよ」


「んー、数値も前より酷いなぁ…ドナーが必要かもしれないなぁ…」


ドナー…?


最終兵器だよね、それって…


涙がポロポロ出てくる。


「ん?」


翔が気づいたのか近づいてくる。


走ってトイレへ逃げた。


ハァッハァッ…


なんでこんなに弱くなったんだろう。


50メートルも走ってないんだよ?


個室に入って息を整える。


少し吐き気がして痛い気がするけど私は知らない。


ひたすら我慢我慢…


すこし経って個室を出ると、看護婦が入ってきた。


「あ、柚木さんいたんだ。」


「はい……」


「翔さんと付き合ってるんだってね」


「はい…」


ぺしっと平手打ちされた。


「翔さんはあなたになんかにはもったいないわ。もうすぐ死ぬのに…翔さんかわいそう」


「…」


そうか、もうすぐ私死ぬもんね


「すぐに別れなさい。出ないと、私が何するかわからないわよ」


足で私を蹴って外に出た。


そっか…私なんて付き合う権利ないんだね


早く別れなきや…


……あれ?


突然目の前が暗くなって、意識が消えた。
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