空の下で
ふと気づくとまだトイレにいた。


そっか、本当に助けてくれる人なんていないもんね


こんなもうすぐ死ぬ人なんて誰も助けたくなんかないよ。


無理して助けようとして、仮に死んだとしたら、周りからの評価も落ちるしその人にとって大ダメージだもん。


早くこのまま死んじゃおう。


そうすれば、助けてくれる人なんていないでしょ?


こっそり外に出て、屋上へ向かう。


「ちゃんと別れろよ」


後ろからぼそっと言われた。


死ねば別れられるもの。


翔を自由に出来る。


屋上への階段を駆け上がる。


心臓に限界が来るとか私は知らない。


痛いけど、もうすぐ楽になれるんだよ。


ドアを開けた頃にはもう普通に息すらできなかった。


フェンスの前の台を一段上って、手をかける。


背伸びして足を離した。


怖い...けど楽になれる……


あれ?下がらない?


もがいてももがいても……


ん?足に違和感が……
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