空の下で
柚姫が心停止してから一週間が経った。


「柚姫、今日は快晴だよ、昨日もお母さん来てたよ、嬉しかった?」


軽くささやいては手をさする。


「柚姫はねぼすけさんだなぁ~」


おでこをコツンとしてみたり。


すると、手がビクッと動いた。


「柚姫…?」


ふと顔を見ると、少し目が開いていた。


「柚姫、聞こえるか?俺だぞ?」


ボーっとしている。


意識が少しあるみたい…


「柚姫?苦しいか?体調は大丈夫か?」


すると、ゆっくり首が縦に動いた。


「そっか、よかった。」


一昨日、酸素マスクからチューブに変わったから、いつでも唇が奪えるって…なに考えてんだ俺…


相手は患者だよ患者。


止まれよ、俺の理性…


すると柚姫の手が無意識なのか胸の方に動いた。


そして、柚姫の顔がこわばった。


「柚姫?柚姫?」
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