欲情プール
最低なのは、私もだよっ…


こんな心、消えてしまえばいい!
こんな身体、滅びてしまえばいい!

慧剛を縛り付けて、聡を裏切って…!
なのにっ!


それでもまだ慧剛を求めてるなんてっ…!!










「おはようございます」


「おはよう、っ…

どうした?
何か、あったのか?」


化粧で隠せたつもりなのに…
少し目を腫らした私を、心配する慧剛。


「いえ、ちょっと…
昨日、感動する事があって。

そんなに目立ちますか?」

そう目元に手を添えると。


「…

茉歩。
華美な装飾は、秘書としてあまり好ましくないな」

気付いた慧剛に指摘を受ける。


「すみません。解ってます…
でも、今日だけお願いします」


左手には、いつもしてる結婚指輪と…
昨日もらったダイヤの指輪。

心は受け取る事が出来ないから…
せめてそれは、身に付けていたかった。



「今日だけ?
明日からはいいのか?」


「はい。
今日チェーンを買うので、明日からはネックレスにします」


「っ…!

わかった、もういい」

と、不機嫌な様子。


そんなに怒らなくても…



薬指に付けてるそれは、聡からもらったのが歴然で。

もしかして、妬いてる?


まさか、ね…


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