欲情プール
それから程なくして、絶好の接触チャンスが訪れる。


調査報告によると、奥さんは職安に通い始めたようで…

だったら俺の秘書として雇えばいい。
そしたら簡単に距離を縮められるし、社内で噂も立ちやすい。

そうなれば露美の耳にも届きやすいし、それで浮気相手が判明すればあれこれ調べられずに済む。


ただその時は、奥さんには秘書を辞めてもらうしかないけど…

だからって利用だけして切り捨てる訳にはいかなかった。


そこで俺は秘書の椎名に電話した。
椎名は幼少時からの教育係りだった男で、俺が唯一信頼を置いてる存在だ。

今は影で秘書として支えてくれてて、俺が密かに経営してる派遣会社も取り仕切ってもらってた。


「例の堀内茉歩だが、表向きの秘書として雇おうと思ってる。
それで…」


「ここからの派遣という形にするんだね?」

長年の付き合いで、俺の気持ちや考えを解ってくれるから話が早い。


「相変わらず椎名には頭が下がるよ。
じゃあ書類の方、よろしく頼むな?」
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