欲情プール
その派遣会社は、資金調達は元より。
主に多方面での隠れ蓑として始めたもので。

だから当然、俺が経営してる事は公にしてないし…
最初からそこで雇えば、秘書は辞めさせても他の仕事を回せば済む事だ。




そうして俺は、偶然を装って再び彼女に…


「あの。
良かったら、俺の所に来ませんか?」

堀内茉歩に声かけて、名刺を差し出した。


敢えてナンパっぽく言ったのは…

それなりに大きな会社でいきなり専務秘書じゃ身構えてしまうだろうし、上司と部下じゃなく男と女の感覚に持って行きたかったからだ。

それに最初は不審がられるぐらいが、ギャップ効果も狙えて丁度いい。


「まぁ、俺の相棒みたいな感覚でいてくれたらいいんでっ。
それにほら、通勤もかなり楽だし!」

最もな一言に、彼女は笑顔を覗かせて…

声掛ける前に苦しそうな姿を目にしてた俺は、なんだかやけにほっとした。


「でも、仕事とプライベートはきっちり分けてもらいますよ?」

そしてそう引き受けてくれた彼女と、よろしくの握手を交わすと…


なぜか胸が騒いだ気がした。


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