欲情プール
そこで今日は深夜まで作業が及ぶ事や、今後は残業が増える事を念押して。


「離婚の危機なんだろ?」

押し問答の末、そう諭した。


「その時は…専務に助けを求めます。
必ず離婚を阻止してくれるんですよね?」

だけどそんなふうにけしかけられたら…
素直に甘えるしかなくて、苦笑いが零れた。

まったく、本当に手強い相棒だ。


「わかった。
その時は俺に任せてくれ」

代わりにその約束は必ず守ると心に誓う。


「じゃあ改めて…」

相棒なんて最初はその場凌ぎの言葉だったけど、もうそうじゃない気がして。
本当の意味でよろしくと、思わず握手の手を差し出したけど…


「…いや、とりあえず作業を進めよう」

熱がある事にハッとして、バレないようにその手を下ろした。


そう、体調が悪かったのは連日の過労が原因で…

けど俺にとっては別に珍しい事じゃない。
常にプレッシャーに晒されながら、そうやって頑張って来たから今があった。


とはいえ今回は流石にハードワーク過ぎて、けっこう限界を感じてたから…


「ありがとう。
凄く、助かるよ…」

策略も忘れて、頼りになる相棒に心から感謝を告げた。


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