欲情プール
そしてプレゼン当日。

未明に茉歩の退社を見届けたあと、デスクで力尽きてた俺は…


体を揺すられて…
ひやりとした何かが額に触れて…

虚ろに意識を捕まえる。


すると、誰かがデスクの電話で内線に繋ごうとしていて…

体調に気付かれたんだと、慌ててそれを妨害した。


その誰かは当然、秘書の茉歩で。

俺は心配するなと目で訴えて、寝起きで一層怠い体に鞭打ちながら、プレゼン準備の指示を下した。


なのに病院に行ってもらうと、またしても譲らない茉歩。

命令しても、救急車を呼ぶという始末で。


それだけ心配してくれてるって事か…

胸をズキリと突き刺さされながらも。


「頼む、茉歩…
病院には、プレゼンが終わったら必ず行く。
今に始まった熱《こと》じゃないんだ…
あと数時間、待ってくれ。
じゃなきゃ、今日まで無理した意味がない!」

そう訴えて、デスクに忍ばせてた薬でこの状況を気休める。


「それで取り返しのつかない事になったら…
それこそ、一番の無意味だと思います」

「だったら!
そうならないように、茉歩がサポートしてくれ。
これからはフルサポート、してくれるんだろ?」
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