欲情プール
茉歩の言葉を逆手に取って、今度は俺がけしかけてみたけど…

それでも応じてくれそうになくて。


仕方なく俺は、親父の病気やそれにより後を継ぐようになった事…
さらには常務の企みや置かれてるシビアな状況を話して、必ず成し遂げなきゃいけないと嘆願した。

そう、華那を犠牲にしたからには尚更。
それに…


「このプレゼンだって、俺がしなきゃ常務に手柄ごと横取りされてしまう」

ここまで完璧に仕上げてくれた茉歩の尽力だって無駄にしたくない。


「だから頼む…
相棒のお前にしか頼めないんだ。
プレゼンを、サポートしてくれ」

お前にしか、それは誘導言葉だったけど…
気付けば俺は、ほんとに心を許してた。


だからこそ。
いくらプレゼンの為とはいえ、こんな機密事項を話せたんだろうし…

こんなふうにまた甘えてしまうんだろう。


すると。

「わかりました…
私が専務を守ります」

思わぬ発言に、一瞬戸惑う。


「だって、どうせ止めても聞かないですよね?」

それは茉歩もだ。
だけど…


ほんとに頼もしい相棒だ。

漸く出たゴーサインにほっと胸を撫で下ろしながら、そう実感していた。
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