欲情プール
そしてタクシーに乗り込むと、精神力のスイッチも切れて…


「茉歩、肩借りていいか?」

すかさず甘えてしまう。


むしろ実際苦しくて…

茉歩のサポートがなかったら、本当に倒れていたかもしれない。

俺1人だったら昨日は徹夜になってたはずだし、少し眠れた事でだいぶ救われたんだと思う。


茉歩の了承を得て、早速寄り掛かってると…

ふいに手が触れて。


「握ってて、…いいか?」

思わずぎゅっと握り締めた。


「……いいですよ」

すると握り返されて…
なぜか胸まで握り締められる。


なんだこの感じ…
それ以前に、何やってんだ俺は。
病気で心細くなってるガキじゃあるまいし…

だけど漸く甘えられる場所を見つけた俺は、そこに雪崩れ込んでしまってた。


その時ふいに。
ふわりと髪に絡んできた茉歩の手に、優しくそこを撫でられて…

途端、愛しさが込み上げる。


ー「ちゃんとやり遂げたら、茉歩に撫で撫ででもしてもらおうかな」ー

あんなふざけた事、思い出してくれたのか…
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