欲情プール
だからって茉歩は、利用対象でしかなくて…

そう、これは策略だ。
順調に距離を縮めてるに過ぎない。


「俺はこの道を、必ず成し遂げなきゃ、いけないんだ…」

朦朧としていく意識の中、自分にそう言い聞かせた。


だから…

策略に胸を痛めてる場合じゃない。
利用相手に心を許してる場合じゃない。
ましてや、こんなふうに甘えてる場合じゃない。


「なのに、俺は…」


この手を離したくないと思ってる。

握る手に思わずグッと力がこもる。



そして病院に着く頃には、自然と指が絡んでて。




俺はいつからか…
いやきっと最初から。

策略と感情の渦中に堕ちていたんだ。


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