欲情プール
そこでふと、お互いの身体ナシじゃいられないというやり取りが脳裏をかすめる。


そうか…

気持ちがあるのは俺だけで、茉歩はほんとに身体だけだったんだな。


そんなに旦那《あの男》なのか…

胸がグシャリと潰される。


ならもうそれでいい。

今度は茉歩が、この身体を好きなだけ利用すればいい。
そしていつか、この身体から離れられなくなればいい。

そう思ったら無性に、茉歩の身体を俺で埋め尽くしたくなった。




そして終業時。

堰を切った想いで茉歩をベッドルームに連れ込むと…


その身体は愛がないとは思えないほど、俺に感じて、俺を求めて…


「茉歩が欲しいのは、この身体だけ?」

本当にそうなのかっ?
想いが溢れて、訊かずにはいられなくなる。


「どう、かな…
でも慧剛だって、私の身体ナシじゃいられないって」


「…そうだな。
俺は…
茉歩ナシじゃいられない」

身体だけじゃなく、その全てが欲しくて堪らない…


「私も…
慧剛ナシじゃいられないっ…」

同じ言い回しに合わせただけだとわかっていても、その返しに理性を失う。
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