欲情プール
時を同じくして…

茉歩の誕生日を間近に控えて、俺は頭を悩ませていた。


以前はその日を策略に利用するつもりだったのに…
心から喜ばせたいと思うと、何をしたらいいのかわからなくなる。

しかも忙しい俺は、今からそれを探り当てる時間もなければ…
茉歩の好みを熟知してるであろう旦那《あいつ》には、きっと何したって敵わない。

それどころか。
俺が趣向を凝らすほど、旦那を愛してる茉歩にとっては重いだけかもしれない。


それじゃあ特別な事は出来なくて。
それでも堀内《あいつ》には負けたくなくて…

だけど気持ちなら、浮気したあいつなんかに絶対負けない。


だったら俺は、張り合わず普段通りでいこうと。

メニューだけ特別にして、いつも連れて行ってるイタリアンを予約する事にした。


そこなら茉歩も気に入ってくれてるし、融通も利く。

そう、当日は堀内《あいつ》と過ごす可能性が高いだろうし…
急に接待なんかが入ったら申し訳ないから、先に茉歩をアポ取るわけにはいかなかった。


そしてプレゼントは散々考え抜いた挙句。
茉歩が素敵だと褒めてくれた、勝負時計のレディースを贈る事にした。
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