欲情プール
なのに追い討ちをかけられる。

翌朝、少し腫れた目で出勤してきた茉歩を心配すると…


「昨日、感動する事があって。
そんなに目立ちますか?」

そう目元に添えられた手には、いつもの結婚指輪と…
昨日もらったであろうダイヤの指輪が光ってた。


つまりはそれに、目を腫らすほど感動したという事で…


「華美な装飾は、秘書としてあまり好ましくないな」

もっともな指摘を建前に、行き場のない嫉妬をぶつけてしまう。


「すみません。解ってます…
でも、今日だけお願いします」

しかもその返答から、ただの義理着用かと思ったら…
今日チェーンを買って、明日からはネックレスにして身に付けるという。


そんなに…
そんなにあいつの事が好きなのかっ!?
あいつは茉歩を裏切ったのにっ…

胸が無数のナイフで切りつけられる。


もう俺のお祝いなんか邪魔なだけかもしれないな…




とはいえ、いつも融通を利かせてくれるオーナーシェフに迷惑をかけるわけにもいかなくて。

その夜は予定通り、予約していたイタリアンを訪れた。
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