欲情プール
「それで?
ケーゴも仕返しのつもり?

どーゆー事なのか説明して!」


ダメだ、落ち着け…
しっかりしろ!

どうしたら茉歩を守れるか…
その非難を最小限に抑えられるか…

それには…
そのためにはっ……


グッと心を噛み殺した。



「ああ、仕返しだ。
ただし。
矛先は茉歩と堀内(こいつら)だ」

露美の追及を鼻で笑い飛ばした俺は、可能な限り冷酷な表情を貼り付けて。


「露美《俺の女》に手を出して、挙句裏切った堀内《おとこ》に報復して。
露美《おまえ》を苦しめた茉歩《おんな》を弄んだ」

科白に合わせてそれぞれに視線を向けながら、そう嘲った。


これなら茉歩も被害者だ。


事実、堀内と露美の不貞や俺の策略の被害者なんだし。

仮に、俺への気持ちがあったとしても…


ー「離婚は防ぎたいかな」ー

堀内《あいつ》と離婚する気は無いはずで。


茉歩を、茉歩の生活を…

ー「必ず離婚を阻止してくれるんですよね?」ー

その約束を守るためには、俺が悪者になればいい。
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