欲情プール
とはいえ、茉歩は俺の言動をどう思ってるだろうか…


「全部お前の為の仕返しだ。
…お前の愛が欲しかった」

切なげに、露美への大義名分を口にしながらも…
それは演技だけじゃなく。

欲しいのは茉歩の愛だけなのに、そう言わざるを得ないのが心苦しかった。


それでも、当然そんな言葉で信じてもらえる訳もなく。

俺は茉歩を弄んでいたと裏付けるような理屈を並べた。


いかにもそれが真実だと言わんばかりに、平然と。
嘘じゃないと、それを示すように真剣な眼差しで。

今までいくつもの窮地を潜り抜けて来た俺にとって、そういった演出はお手の物だった。


「第一、見つかったらお互いの立場が悪くなるのを解ってて…
どうでもいい捨て駒じゃなきゃ、こんな場所でキスなんかしないだろ」

違うっ、捨て駒なんかじゃない。
もう抑えられないほど愛してるんだ!

そんな想いを押し殺しながら…
その痛恨のミスでさえ利用して、真偽の狭間で揺れ動いてる露美に追い打ちすると。


ようやく露美は納得した様子を見せて…
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