欲情プール
今度は不安要素《まほ》の排除にかかった。

「…だってさ。
今の話で、自分の置かれてる惨めな状況がわかった?
わかったなら自分から会社を辞めて!
辞めないなら婚約妨害で訴えてやるからっ!」


「ふざけるなァっ!!
2人して何なんだっ…」

そこで思惑通り、堀内が茉歩を庇う。

自分のせいで妻がこんな目にあってるとなれば当然だろう。
責めるどころか、申し訳なく感じるはずだ。


「だいたいっ、先に近付いて来たのはそっちだろうっ!
自分達の痴話事に俺達を巻き込んでっ…
妻を侮辱するにも程がある!
人を、何だと思ってるんだっ!」

確かに、こんなんじゃ守ってる内に入らない。

こんな守り方しか出来なくて、ほんとにすまない…


けどこれで茉歩も、裏切った自分を庇う堀内に心を打たれて、夫婦仲の修復も確かなものになるだろう。

それに誘導しながらも、この胸は引き裂かれそうで…


「あんたみたいな立場のある人間がっ、こんな事してタダで済む訳ないだろっ…
こっちこそ訴えたい気分だ!」

だけど茉歩を守れるなら訴えられても…
俺はどうなっても構わない。


なのに逆に守られる。
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