欲情プール
「ふざけないでっ!
なんなのこのオンナっ…
ケーゴは私の婚約者よ!?
アタマおかしんじゃないっ!?」

そう茉歩の胸ぐらを掴んで揺さぶった。


「やめろ露美!」

焦った俺は、すぐにその手を払い退けて茉歩を抱きしめようとしたけど…
すかさず露美をこの腕の中に取り押さえて、胸を痛めながらぎゅっとした。


茉歩を庇えば、露美は余計興奮して何を仕出かすかわからない。

それにこうする事で、露美の激昂を少しでも抑えようと思った。


だけどすぐに収まるはずもなく、茉歩への罵倒は続いて…

自分が傷付けられた方が何倍もマシだと、耐えられなくなる。


結局、今の俺じゃ守れ切れない。

例えこの場は切り抜けても…
地盤を整えてる間に、いつまた酷い目に合わせてしまうかわからない。


「やっぱり訴えてやるっ…
アンタは訴えなきゃわかんないよねぇ!?」

「落ち着くんだ露美っ!
そんな事したらこっちも無傷じゃ終われないっ…
とにかく俺はっ、こんな女なんかもう相手にしないし、すぐにでもクビにする!」

それはその場凌ぎじゃなくて。
もうこれ以上、俺の気持ちに…
こんな人生に巻き込みたくなかった。
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