欲情プール
ー「我儘だから、覚悟しといた方がいいよ?」ー

思い出して、ため息が零れた。






「いい店だろ?
肉もヤバいから、焼くのは俺に任せていっぱい食えよ?」


「ありがとうございます。
でも専務…
今後はこういった気遣いは無用です。
そしてこれからは専務が気持ち良く仕事が出来るように、ちゃんと徹するので…」


「上司との食事は面倒くさい?」


「そーゆう訳じゃ…!
ただ、せっかくのプライベートなので、ご自分の為に使って下さい」


「自分の為に使ってるよ?
俺が茉歩と食いたい」


楽しそうに肉を焼きながら、サラッと告げられた言葉に…
思わず反応して、一瞬戸惑う。


「…

友達とか彼女とか、居ないんですか?」

その所為でつい、失礼な質問をしてしまった。


「居ないと思う?」

だけど気にした様子もなく、不敵な笑顔で質問返し。


「いえっ、
寧ろたくさん居そうだと思ったので」

上手く取り繕ったつもりだったけど。

彼女がたくさん居そうなのは、ある意味失礼だと…
すぐに気付かされる羽目になる。


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