欲情プール
疲れ果てて眠りに落ちると…

たまに茉歩の夢を見る。


胸を抉る、あの日の茉歩を。



苦しくて、申し訳なくて、うなされるように目を覚ますと。


茉歩に会いたくて…
この腕で抱きしめたくてっ…

心が砕けそうになる。



そんな日々を、嫌というほど繰り返して…






3年が過ぎた、ある日。


ようやく新しい道の地盤を整えた俺は、深呼吸して逸る気持ちを吐き出すと…

勝負時計をカシャリとはめて、茉歩が今働いている職場へと赴いた。


そう、その時計はここぞという大事な場面や厳しい状況を幸運に導いてくれてたから…

茉歩との未来を掴めるようにと、願を掛けて。






だけどエントランスで待ち構えてた俺は…

久しぶりに見た愛しい姿に。
会いたくて堪らなかった茉歩の姿に。

胸を掴まれて動けなくなる。


あれから交際相手はいないようだけど…
相変わらず調べたり、今さら押し掛けて来た俺に引かないだろうか?

それ以前に、あんなふうに切り捨てた挙句、家庭を壊した俺を赦してくれるだろうか?


色んな不安が沸き起こって、なかなか声を掛けれずにいると…

茉歩は近くにある公園のベンチに座り込んだ。
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