欲情プール
それは、情けないくらい不恰好な告白だったけど…
今までの狂おしい想いが詰まった、精一杯の愛の言葉で。


途端。

うっと嗚咽を零した茉歩が、次から次へと大粒の涙を溢れさせた。


口元を覆うその手には、俺が贈ったお揃いの腕時計が付けられていて…

胸が握り潰される。


茉歩も、ずっと俺を想ってくれてたんだって…



あんな終わり方をしたのに。
そのまま3年も放置してたのにっ。

俺の言葉でこんなに涙を流すほど…
俺からの時計を今でも身に付けてるほど…


その日々は、どんなに辛かっただろうっ……



「茉歩っ…!」

悶える思いで、もう離さないとその手を掴むと。

触れた瞬間、心が一気に溢れ出す。


「ずっと辛い思いをさせて、本当にすまなかった…

お詫びにこれからは、生涯かけて。
満たされる時間を、贈らせてもらえないかっ?」


壊したものがある限り…
幸せにする、なんて言葉は違う気がした。

だけど、ずっと満たされない時間を過ごしてきた俺たちだから…
一緒に歩めるのなら、今度は満たされる時間を贈りたい。
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