蒼の王様、紅の盗賊
 
 
 
 
 
 
怖かった。


アスラの支援が途絶え
飢えに彷徨う自分たちの姿を想像すると
どうしても口がつぐんだ。






「我等は、アスラに....あの子に頼りすぎていたのだ。

私は....あの子に、全てを背負わせてしまったのだ」




ジルの白くなった頭が、苦悩に揺れる。

そして弱々しい声で呟く。




「我々が....私があの子を殺したも同然じゃ」 



弱々しくも、嫌という程
自分の呟いたその言葉がはっきりと、そしてゆっくりと

空間を漂った。



そして漂う言葉と共に
老いたジルの、歳を重ねるごとに緩くなってきている涙腺から

自然と涙が流れた。








────....パカッパカッ。

ジルが己の腑甲斐なさに涙をする中で
遠くから唐突に、何かが近付いてくる音がしてくることに、ジルは気が付く。





(───何の音だ...?)



段々と近くなる音。
地面を激しく蹴るような.....そう。蹄の音だった。



ジルは、その近付いてくる音が何の音か気が付いて
その音の先を見据える。

だが何もない。





(───いや....あれは!)



否、何もなかったと思ったが

よく目を凝らして見れば、長く続く道の遥か先に一つの小さな影が。



何かは、分からない。
だが、聞こえてくる音から推測するに恐らくあの小さな影は馬だろう。

ジルは思った。





 
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