隣のマキオ
パタン、とドアが閉まり、陶子は、なんだかぼんやりしてしまった。

なんか…
凄いイケメンだった…

昨日は、あまり気がつかなかったけれど、明るい朝の光の下で見ると、長身で広い肩幅も、少し伸びすぎた茶色の髪も、高い鼻梁も。色素の薄い瞳も。

着たおした感じのシャツも、ルーズに履いたデニムも、なんとも格好良く、部屋着を褒められたことに、ぼうっとしてしまった。

けど…

人の下着を勝手に見るような変態だもんな、見た目に騙されないわ、と陶子は、かなり緩めの誓いを立てた。
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