興味があるなら恋をしよう−Ⅰ−
「だから、な〜んにも出来ない」

おどけて見せた。

「課長?!」

「フ。…ハハ。はぁ。情けないだろ?まだ俺は何もしていない。あー、キスはしたぞ?
悪いな、坂本」

「課長…」

悪いなって……いや、俺…、3回程軽いやつ、頂いちゃってますから。
一緒に寝た事もあります。何度も抱きしめています。

…。

「俺がいつまでも何もしないから、嫌いになったのかって、言われたよ…」

「え、そんな事…」

ある訳ないだろうに。何でそんな事聞いたんだ…。

「ああ。嫌いになった訳じゃない。そんな事、ある訳ない。…ちらつくんだ、坂本がな」

俺?自分を指した。

「あー、変に勘違いするなよ?その気はない」

…うん、まあ、それは勘違いしないけど。じゃないと藍原はカムフラージュって事になるから。…。

「坂本、おまえのせいだ。だから出来ない。苦しいぞ坂本。どうにかしてくれ」

「は?」

どうにかって。そこは藍原の問題でしょ。

「矛盾している。急がないけど答えは欲しい。よく解らない雰囲気だけより、確かなモノが欲しい。繋がりとでもいうのかな…」

確かに。そうだよな、より確証は欲しい。藍原は肝心な言葉がないから。

「それがないうちは、…しっかり定まっていない藍原には、何も出来ない」

あの日も結局シなかった。触れてしまった分、何もせず一緒に寝るのは正直きつかったけどな。出来る訳がない。

「そうだ、坂本の話は何だ?」

「俺は…。よく解らないんですけど」

「は?」

「俺、藍原の事、奪ってもいいんですかね?」

「は?何とも…解らん。疑問形の奪取宣言をするつもりだったのか?」

坂本だって藍原の事が解らないんだよな。
だから、まんま疑問形にならざるを得ないんだ。
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