興味があるなら恋をしよう−Ⅰ−
あ…、これは…。どうしてだ…。
何も無い…がらんどうだと思っていた。
それを見るのがどこか嫌だったんだ。
だけど…。ベッドがある。
ちゃんと布団だって枕だって、使っていますって状態だ。
ハンガーに掛けられた洋服がいくつも…。
カーテンレールに掛けられていた。
あ、あの服…今週着ていた。

ベッドの足元には段ボールが積まれていたり…まだ畳んだままの物もあった。

慌てて、もう一度バスルームに戻った。
ああ…ある。…あるじゃないか。
シャンプーもコンディショナーも…ボディーソープも。
洗面台に歯ブラシも…歯磨き粉も洗顔料も。

藍原はまだ居る。
ここで…必要最小限の物で暮らしている。

…何故だ。
何故こんな不自由な生活をしている…。
…何の為に。

落ち着いてよく見れば、分別されたゴミが袋に入れられていた。
確かに居る。
コンビニの容器の日付は昨日のモノ。

きっと、音を立てないように気を遣いながら、寝泊まりしてるんだ。

藍原…、何をしている。…何を考えている。
何も言わないのも、いい加減、限界じゃないのか?
何も言わなければ、このまま…俺達はフェードアウトだぞ…。
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