興味があるなら恋をしよう−Ⅰ−
「はぁ、ご馳走様でした。美味しかったです。料理、ちゃんとしてるんだね。あー、それとも俺の為に頑張ってくれたのかな?」

…もう何とでも思ってください。

「朝、大家さんが来てくれる事になってるから、それまで居させて貰っていいかな」

何だかさっきまでの話し方と少し違う。…え?今なんて…。

「え?うちに?」

「そう」

…そうって、…当たり前みたいに。最初からそのつもりで…。一体、どういうつもりよ…。だけど、知り合いはまだ居ないのよね…。

「あの、うちには余分なお布団とか無くてですね」

「どうする?」

…。まだ、はっきりいいって言った訳じゃないですよ…。

「アハハ。…大丈夫だよ。そこのソファー貸して貰っていいかな?
…そんな困った顔しなくて大丈夫だよ。
勿論、寝込みを襲ったりなんてしないから。犯罪者にはなりたくないからね。するなら合意の上でないとね。だから、泊めて、お願いします」

…。

何度、言葉を失わせれば気が済むのだろう。…ふぅ。落ち着いて。むきになって言い返してたら相手の思う壷なんだから。

「でも寒く無いですか?冬って訳じゃ無いけど、朝は少し冷えるかも知れません。何も掛けずに寝て風邪ひいたら辛いですよ?」

こんな事言っても、問題解決にはならないけど。

「んー。じゃあ、紬が一緒に寝てくれる?人と一緒だと暖かいだろ?ほら、遭難した時とか、こう、抱き合って温め合うじゃん」

「それは…」

何故、敢えて何も掛けず、抱き合う事を選択して言うの…。ん゙〜…難しい。
いくら襲わないと言っても、別で寝るのと一緒にとでは違い過ぎる。
承諾したとしても、ううん、困ってるのは確か…でも、男の人を泊めるなんて。ここでそのままでは…どうしよう…。

「有難う、紬」

「…え?」

「少しは俺の為に悩んでくれてるんだ。大丈夫だよ。このまま転がって寝られるだけで充分だから。居させてくれるだけでいいんだ。一晩くらい大丈夫大丈夫。平気だから」

…。

「ふぅ…解りました。…襲わないと約束してくれるのなら、一緒にベッドで寝てください」

あぁ、私…何、情に絆されているんだろう。会って間も無い人なのに。しかも…男の人だよ?
しかも一緒にとか言っちゃった。

「紬…いいのか。本当に、いいのか?一緒にとか…」

「『女』に二言はありません。大丈夫です」

「男前〜。よし、じゃあ寝よう。こっちだよな?いや、こっちか?俺ん家とは間取り違うのか?あ、こっちか」

「あ、ちょっと、待ってください。本当に何もしないでくださいね」

もう何気に手を引かれていた。
早まったかな…。絶対、早まったよね…。ソファーで良かったのよ…。
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