興味があるなら恋をしよう−Ⅰ−
坂本さんの部屋に押しかけて、追い出されて、それ以来、会話らしい会話を暫くしていない。

私は私で課長からまだ連絡を貰っていないから、何の変化も無く、課長に対してフツフツとした状態が続いていた。


ブーブー…。あ、……お父さん…。

【いつになったら、まともな返事が来るんだ?】

あー、本当の事、言おうと思ってたのに。
電話する事もすっかり忘れていた。

【ごめんなさい。土曜に帰って話すから】

これだと、もう弁解するってバレてしまったな。

【まあ、いい。帰るなら気をつけて帰って来なさい】

…お父さん。

【はい】

…ごめんなさい。

「はあぁぁ」

…。

こんな時、坂本さんが居たら…。
いつもみたいに、どうしたって言ってくれたかな。
…今は居ない。

「はぁ…」

「どうした、藍原。何か重大なミスか?」

…え?あ…課長…。

「いえ、すみません、大丈夫です。仕事中に溜め息ばかりついて…すみません」

「大丈夫なのか?」

「はい、大丈夫です。なんでもありません。
すみません」

「心配事なら言うんだぞ?」

「はい、有難うございます」

…違う。
これは、課長が課長として心配して声を掛けてくれただけ。

何だろう…。違う。
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