興味があるなら恋をしよう−Ⅰ−
カチャ。

カチャカチャ。

「…あ」 「お…」

…。
部屋を出たらバッタリ鉢合わせた。

「どっか出掛けるのか?」

「はい。…実家に」

…実家。

「そうか」

一人でなのか…。

「…コンビニですか?」

袋を指された。

「あ?ああ。あ、スイーツじゃないぞ?」

歯磨き粉を買うついでに乾き物にビール。それと、何となく昼飯用の弁当を買ったら、何となくアイスクリームも買ってしまった。小分けされ袋が三つになっていた。

「…では」

「あ、おぅ」

コツコツと藍原は遠ざかって行く。

「あ、おい。藍原」

藍原が振り返った。

「一人でいいのか?」

他意は無い。ただ聞いた。実家に行くと聞いたから、聞いた。

「ちゃんと話しに行くので、いいんです」

「そうか」

返事を聞くと藍原はまた歩き出した。

…付き合っている人も、結婚を待たせている人も居ないって、話しに行くって事だよな。
そういう事だ…。

おっと、弁当の熱でアイスクリームが溶けてしまう。
…袋を分けたって、一緒に持ってしまったら意味無いよな。
わざわざ別々にしてるのには意味があるっていうのに。
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