興味があるなら恋をしよう−Ⅰ−
苺が美味しいだとか、途中のチョコフレークとナッツもアクセントでいいですよねとか、暫くスイーツを食べながら何でも無い話をしていた。…こういう話なら出来る。
でも、いつまでもそんな話ばかりのはずも無く。
程よく食べたところで課長が本題を切り出した。

「…藍原、俺はな。
確かに、昔、藍原には長く付き合っている人が居ると言った時、…藍原の事が気になっていたんだと思うんだ。そうじゃなきゃ、人の恋愛に口出しはしないと思うんだ」

…課長。

「んー。気になったという事は、つまり、好きを意識したという事だな。だから、酔っていても無意識に言ったんだと思う。酔っていたからこそ、本音が出たんだと思うんだ。…このままだったら、後輩に取られてしまうかもってな。
だから慌てて、そんな嘘をついたんだと思うんだ。多分、無意識に。自分のことなのに、気がついてなかった、ってことだと思うんだ」

「でも…課長…今は」

どうしよう。
私、今の課長の気持ちを確かめようとしている。
何を急いているのだろう。
もっと落ち着いて課長の話を最後まで聞けばいいのに。話を全て聞き終わってから問い掛ければいいのに。

「ん?」

あ、どうしよう。

「でも今は、…もう、…違うんですよね?」

「違うとは?」

「あ。あの……、私の事は…今はもう何とも思ってないのですよね?」

「それなんだ。それなんだが…」

あ、やっぱり、駄目なんだ…。
この様子では、課長に気を遣わせて終うのかも知れない…。言い辛い事を言わせてしまう…。
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