夢を忘れた眠り姫
しかも他の3人とは比べ物にならないくらい密に連絡を取り合っていて、コンスタントに顔も合わせている彼。

でも、あの人は別に『旧知の友』って訳ではないしな…。

それに例のトラブルの詳細は他言無用で、彼のこともどこまで説明したら良いか考えるのが面倒くさいし、あえて存在を隠す事にした。


「……俺も、本当の親友と呼べるのは二人だけだよ」


私の話が一段落した所で貴志さんはおもむろに語り出した。


「俺が家庭の事情を明かす気になれた、それを把握してもそれまでと変わることなく接してくれている、真の友人は。もちろん、お互いに深入りせずに、気軽に交流している人物も何人かはいるけど」

「そのうちのお一人が元ルームメイトだった方ですか?」

「そう。で、奴は今海外だろ?やっぱり正月は帰らないって言ってるし、あとの一人は高校の同級生で、そいつは未だに地元民だから、そっちで一月二日に会う約束をしてるんだけど、それ以外はこれといって予定はない」

「貴志さんの地元って、埼玉のどこなんですか?」


そういえば聞いた事がなかったな、と思いつつ問いかける。


「浦和区だよ。母親が俺を身籠っている時にそこに引っ越したんだ」

「ああ、じゃあ、すぐそこって感じですね」


あんまり『帰省する』という感覚はないかも。
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