再現教室~死のリプレイ~
「共通点?」


あたしは首を傾げて続を見た。


「あぁ。それがどんな共通点かはまだ見えてこない。でも、一週間前の登校時間になにかがあったから《リプレイ》させたいんじゃないか?


 たとえば、俺たちに何かを思い出させるために」


「思い出させるため……?」


あたしは眉間にシワを寄せた。


「たとえばの話だ。《リプレイ》はどれだけ正しい記憶力を持っているかどうかが試されている。


でも、さすがに一週間も前の事となると細かな所までは誰も覚えていない。そうなると、今度はどこまで思い出すかにかかってると思うんだ」


「……俺たちは何か重要な事を忘れているってことか」


信一がそう呟いた。


何か、忘れている事……一週間前、なにがあったっけ……?


椅子に座り、あたしは頭を抱えた。


「一週間前、俺は教室に入ってから大したことはしていない。前日発売されたコミックを読んでたくらいだ」


「ってことは、他の誰かに何か重要な事が起こった可能性があるってこと?」


千鶴の質問に、続は「おそらくは」と、頷いた。
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