再現教室~死のリプレイ~
今回はちゃんとした相談ができたけれど、重要となるのはあたしの行動だ。


あたしが1つ間違えれば、千鶴も巻き添えにすることになる。


ゴクリと唾を飲み込み、あたしは教卓のあった場所に立った。


千鶴はあたしの後ろ。


続と信一はすでに教室内にいて、漫画を読んだり友人を会話する素振りをしている。


《時間です。それではこれよりリプレイを開始してください》


その声にドクンッと心臓が跳ねる。


あたしは自分の背中に汗が流れるのを感じながら歩き出した。


後ろから千鶴が付いてくる気配がする。


何歩か進んだ時、あたしは壁に手を付いた。


演技なのに、本当に気分が悪くなっていくのを感じる。


きっと緊張状態でいるせいで、強いストレスを感じているのだろう。


あたしはその場に立ち止まり、膝をついた。


すぐ目の前には有紀と真の死体が並んで横たわっている。


次はあたしがこうなってしまうんじゃないか?


そう思うと、吐き気が込み上げて来た。


「奏! 大丈夫!?」


千鶴が後ろから声をかけて来た。


あたしは振り向き、「ちょっと……気分が悪くて」と、答えた。
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